前半の記事「自殺について5つのポイント①‐③ 自殺の原因は何?」の続きです。
今回は、後半のポイント④、⑤についてご紹介していきます。
この記事を読むと
・自殺に必要なきっかけ お酒と自殺衝動とは何か
・コロナ疲れのときに自分が人に何をしてあげられるか
を考えるきっかけになります。
よかったら最後までお付き合いください。
④お酒、アルコールと自殺の関係
自殺者の3分の1は、アルコールが検出されているそうです。
=酔った勢いで自殺をしているということ
お酒を辞めていれば、3分の1の命は助かったかもしれません。
ストレス発散をお酒でしない
ということが重要だそうです。
お酒は一時的にはハッピーにはなれますが、問題解決はしません。
例)ビルから飛び降りる、列車への飛び込みなどは高濃度のアルコールが検出されることが多い
普通の状態ではできないが、お酒の力を借りてできてしまう。
自殺をふだんから考えている人が、
毎日お酒を飲んでいる場合、泥酔した状態で自殺してしまう
とくに前述の自殺者の3分の1はその可能性が高いと樺沢先生は推測します。
私も仕事をしている間は、飲酒が増えることがありました。
三浦春馬さんも、亡くなる1,2年前はアルコールの量が多かったとネット上では流れていました。
私がお酒を飲むのは、自分の感覚を麻痺させるためでした。
あまりに感覚が鋭すぎて、職場の相手の悪意を感じ取ってしまうので、家に帰ってからも今度はその悪意が自分責めをして、苦しんでいました。その感覚を麻痺させるために、少しでも鈍くなるように飲んでいました。
しかし、睡眠の質は落ちるし、朝起きると頭と体はだるいし、それでも会社に行かねばならない。
何もいいことはありませんでした。
それに飲酒していると車の運転はできないですからね、急用があって外出したくてもすぐに出ることができません。
飲酒はほどほどに…!
楽しいお酒を飲みましょう。
落ち込んだ状態でお酒を飲むのはやめる
⑤突発的な自殺衝動=今すぐ死にたい!
報道によると、三浦春馬さんは亡くなる当日、食事の予定が入っていたということでした。
「予定があるのにそんな人が自殺をするのか?」とお思いの方も多いでしょうが、全然不思議なことではないと樺沢先生は言っています。
人が自殺に陥るには次の二つの要素が必要だそうです。
1:希死念慮(自殺念慮)
希死念慮とは、死にたい気持ち
何となく死にたい、生きるのがつらいといった気持ち。
慢性的、継続的に「死にたい」と考えている人はとても多いと考えられる。
日本人のうち、10人に1人は死にたいと思っているのではと樺沢先生は推測しています。
2:自殺衝動
「今すぐ死にたい!」という切迫した心理状況、強烈な衝動、エネルギー、焦燥感。
ピークは5-10分程度
その間はじっとしていられない、イライラする、いても立ってもいられない、精神的エネルギーの突発的な高まり。
メンタル疾患の人に特に起こりやすい。
今の日本での自殺者が年間で25000人。
自殺未遂で救急車で運ばれてくる人が年間300,000人以上。
死にたいけど行動に起こせない人は、
日本中で数百万人いるのではないかと言ってます。
ただ、ほとんどの人は自殺をしません。
なぜなら2の自殺衝動が少ないからです。
2の自殺衝動は、30分も続かないため、10分くらい話をすると落ち着くといいます。(1の希死念慮は30分話しても減りませんが)
さっきまで「死にたい!」と興奮していた人が、
薬も注射もしないで話をするだけで落ち着いてくることがある。
いのちの電話などは自殺衝動が高まっているときに、電話で話を聞いてあげるだけでその衝動がおさまることもあり、とても重要な役割を担っている。
自殺衝動は短い間で一気に高まるため、その衝動が生じたときに
電話やSNSなど、コミュニケーションをとることによって乗り越えられることがある、自殺抑止の手段になるといいます。
自殺衝動の高まりは突発的に起こるため、
予測不能で
周りの人は
昨日まで普通だったのに~!
意外だと、みんな驚くことが多い。
その突発的な原因の1つが「お酒」
お酒が原因で衝動性を高めることもある。
コロナ疲れ
誰もが要因を抱えている
コロナ疲れが出るタイミングは、宣言があけてから1、2か月後の6-7月。
コロナ疲れが原因で自殺するわけではないが
うつ病や経済苦などの複合的な理由が重なりメンタル的に追い込まれて起こる。
経済的な不安を抱えたり、未来に対する希望を持てなくて、漠然としたコロナに対するストレスにより、誰もがコロナ疲れになっていることがある。
自殺に対する複合的な理由、合わせ技一本のうちの一つを誰もが抱えている可能性はあり、今後もっと自殺者が増える可能性が高いと樺沢先生は懸念しています。
メンタルの疲れには時差がある
メンタルの疲れは3か月から半年後くらいに来ることがあり、
本当にショックな出来事があっても何とか我慢して、すぐに自殺する人は少ないと樺沢先生は言います。
自殺の危険性を多くの人が抱えていると警鐘を鳴らしています。
私たちができることは何か
話を聞く
相談に乗る
今の時期、みんなが落ち込んで不安を持っていることがあり、
友人の話を聞いてあげる、こちらの話も聞いてもらう
お互い様でつながりを強化し、孤独を解消することが大切
うまくガス抜きをして、負のエネルギーを発散させていけば、最悪の状態は防げるのではとおっしゃっています。
感想 まとめ
自殺をしたい人はたくさんいる、しかしほとんどの人が自殺をしないのは自殺衝動が少ないからだという理由を聞き、原因とメカニズムを理解できました。
また、その自殺衝動は長続きしない、5-10分程度というのも驚きでした。
いのちの電話や人に相談するということが、たとえ短い時間であっても、衝動を抑えるためにとても重要なストッパーになることがわかりました。
それに、死ぬのは怖いですよね。
私ならアルコール入っていないと無理かもしれませんし、
海外だとドラッグを使用して銃での自殺やドラッグのオーバードーズ(過剰摂取)により命を失うことも多そうですね。
それでも、どうしても日本人特有の性質なのか
人に迷惑をかけてはいけない
という精神が根深いように思います。
助けて、って言えない。
心に壁を作っていて、
自分の気持ちを誰もわかってくれない
と心を閉ざしてしまっている人も少なくありません。
樺沢先生がおっしゃっていた
死ぬか生きるかを相談できる風潮がない
これもとても大きな問題だと思います。
友人が突然、死にたいといってきたらびっくりするでしょう。
だれも、それについて明確な答えを持っていません。
私も相談したことはありません。
どうせわかってもらえないだろう、というあきらめた気持ち
こんなことを話すのは恥、恥ずかしいという思い
自分のことで相手に迷惑をかけてはいけないという遠慮
これらがあり、
人には「○○があるからつらい、困っててね」とは話せるけれども、自殺したいなんてことは言えません。
ほかの人もみんなそういう気持ちがあるのか、実際のところはわかりませんが
なかなか心を開いて人と話をするということは覚悟のいることであり
そもそも、こういう生死にかかわることをオープンに話ができている性格・人ならば
死ぬことはないのではと思いました。
まったく、見ず知らずの人やカウンセラーなどに聞いてもらうのも手かもしれませんね。
同じ会社や環境の中にいる人だと利害関係があったり、どうしても偏った目で見られてしまうこともあります。
全くまっさらな目で見てくれる人も必要かと思いました。
アドバイス
本当に死ぬくらいだったら死ぬ前にやりたいこと全部やったらいいよ!
…そしたら何か変わるかもしれない
とりあえず今日一日生きよう!
自殺はやっぱり悔しいです。
ご本人は本心では望んでいないと思います。
しかし毎日どこかで起きている自殺。
コロナ禍では経済の死によりもっと増える予感。
胸が痛いです。
コメント